女性なら一度は手にしてみたいと思う、ブランドの最高峰エルメス。
その中でもケリーバッグはエルメスを象徴するアイコンバッグです。
日本だけでなくケリーバッグは世界中の女性の憧れであり、ヴィクトリア・ベッカムやオルセン姉妹などのセレブリティも愛用しているバッグとして有名です。
長い間女性を魅了し続けるケリーバッグの歴史や特徴など詳しく紹介します。
ケリー誕生の歴史
ティエリア・エルメスが創設した「エルメス」は、当初は馬具店であったことは広く知られています。
その後、交通手段が馬から自動車に変わっていくことを感じたエシール・モーリス・エルメスが1892年初めて婦人用のバッグ、「オータクロア」を発表しこれが大ヒットし、エルメスは現在のバッグやスカーフ等婦人服飾品を扱うブランドに事業内容を変更しました。
エルメスの代名詞ともいえる”ケリー”は、エルメスが初めて手掛けた夫人バッグ「オータクロア」を原型として作られました。
1935年に発表された時は「ケリーバッグ」という名前ではなく「サック・ア・クロア」として発表されました。
1955年ごろモナコのグレース・ケリー王妃が、妊娠中に少し大きくなったお腹をパパラッチされそうになった時にとっさに、「サック・ア・クロア」のバッグでお腹を隠した写真が世界中に配信されました。
美しく人気のあった王妃と、洗練されたバッグの写真は世界中で注目されこのバッグが爆発的に人気になりました。
こうしてバッグの名前も「サック・ア・クロア」からモナコ王妃にちなんで「ケリー」と改名され、世界中のセレブリティー達が愛用するようになりました。
ケリーの特徴
出展:楽天西麻布レクラン
かっちりとした美しい台形フォルムのケリー。
トップのハンドルは1本で、フラップ部分にはエルメスのアイコニックなカデナが付いています。
フォルムの美しさにこだわって作られているケリーは型崩れしにくく、床に自立できます。
バッグの内側には片側のマチ付きのジップポケットとマチなしのポケットの2つのポケットがついています。
バッグの外側にはポケットはありません。
ケリーは「内縫い」と「外縫い」の2種類
出展:楽天西麻布レクラン
ケリーは内縫いと外縫いの二つの縫製の仕方があり、それによって同じケリーでも表情が違ってきます。
内縫いのケリーの特徴
バッグの生地を内側に縫い込んで縫製部分が外から見えないように隠しているのが内縫いです。
革を内側に縫い込んでいるので、外縫いのケリーに比べると、丸みを帯びて柔らかな印象になります。
フォーマル感が強いケリーですが、内縫いケリーは丸みを帯びているため、カジュアルさがあります。
「内縫いケリー」はこんな方におすすめ
- フォーマルでもカジュアルでも使いたい方
- 女性らしいフォルムが好きな方
外縫いケリーの特徴
外縫いケリーは内縫いケリーとは反対に、縫製部分を見せる縫い方をしています。
職人の手で一針、一針施された美しいステッチを確認することが出来ます。
ステッチが外に出ているので、フォルムが角張り、シャープでかっちりとした印象になり、よりフォーマル感のある雰囲気になっています。
「外縫いケリー」はこんな方におすすめ
- フォーマルで使用したい方
- ビジネスシーンで使用したい方
- シャープな雰囲気が好きな方
ケリーのサイズ
ケリーには、「ケリー25」「ケリー28」「ケリー32」「ケリー35」の4種類のサイズ展開がありまケリーす。
ケリー25
【サイズ】横約25㎝ 縦17㎝ 奥行き10.5㎝
必要最低限の手荷物を入れて持ち歩けるサイズのバッグです。
パーティーなどのフォーマルな場所に最適です。
ケリー28
【サイズ】横約28㎝ 縦22㎝ 奥行き11.5㎝
見た目はスリムですが、収納力はあるケリー28サイズ。2
普段荷物が少ないという人にはちょうど良い大きさです。
ケリー32
【サイズ】横約32㎝ 縦23㎝ 奥行き12㎝
ケリーの中で一番人気のサイズになっています。
日本人女性の身長や雰囲気に一番合っていて、収納力も充分あります。
デイリーユーズにも使える大きさです。
ケリー35
【サイズ】横約35㎝ 縦25㎝ 奥行き13㎝
一番大きなケリー35。
一泊程度の旅行にも使えますし、大きな書類も楽に入れることが出来る大きさがありますので、出張などのビジネスシーンにも使えます。
ケリーの素材
一般的な牛革を使ったものから、ヤギ革やとても高価なアリゲーター、オーストリッチレザーなど様々な種類の素材があります。
カジュアルダウンしたイメージになる布素材のケリーバッグも展開しています。
代表的な牛革も加工や革の種類によって特徴や雰囲気も変わってきます。
トレヨンクレマンス
型押しの定番の牛革素材です。
傷がつきにくく、マットで柔らかな印象が特徴で、発色性が高いのでカラーバリエーションがたくさんあります。
トゴ
雄の仔牛のレザーです。
柔らかくて滑らかな肌触りが特徴で、時間の経過とともに革の風合いが変化していきますので自分の色に変わっていくという楽しさもあります。
ボックスカーフ
フォーマルにはボックスカーフが最適です。
ガラス加工した仔牛のレザーで、光沢感がフォーマル感がかります。
和装にもよく合う素材です。
ヴォーエプソン
細かい型押しの光沢ある仔牛のレザー。
型崩れしにくい素材なので、美しいケリーのフォルムを長年保つことが出来ます。
またとても軽いというのも特徴です。
ケリーの刻印について
本物の証明ともいえる刻印です。
刻印には製造年月日やアトリエ番号などの意味があり、職人が制作時にバックに刻印していきます。
ケリーバッグの刻印は2014年製造の物まではべりとの内側に刻印されていましたが、2015年以降はバックの内側や側面上部にも刻印されるようになりました。
ケリーの人気色
様々なカラーバリエーションが人気のケリーバッグ。
その中でも不動の人気カラーはやはりなんといっても黒です。
フォーマルでも使えて、長年使える黒は世代を超えて受け継がれていくバッグとしても人気です。
黒に引けを取らず人気なのがエトゥープ。
薄いグレーベージュのエトゥープは品があり、黒よりも柔らかな印象でありながら、どんなシーンでもコーディネートしやすいということで人気です。
ビビットな濃いピンクのローズティリアンは大人気カラーです。
エルメス直営店でもほとんどお目にかかることができないという、超激レア貴重カラーです。
ケリーの定価
エルメス公式サイトにケリーバッグの定価の記載はありません。
そこでエルメスに取材して定価を調査しました。
ケリー内縫い(トリヨンクレマンス素材)
ケリー25 | 1,122,000円 |
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ケリー28 | 1,254,000円 |
ケリー32 | 1,254,000円 |
ケリー35 | 1,452,000円 |
ケリー外縫い(エプソン素材)
ケリー25 | 1,254,000円 |
---|---|
ケリー28 | 1,232,000円 |
ケリー32 | 1,43,000円 |
ケリー35 | 1,551,000円 |
特別なケリーバッグ
ケリーバッグは限定モデルやオーダーメイド品など、さまざまなバリエーションが展開されています。
ケリーギャロップ
ハンドルがトライアングルの模様になっているケリーギャロップ。
この躍動的なハンドルのデザインは、三節のリズムで走り抜ける馬術の”ギャロップ”からインスピレーションを得て出来上がりました。
馬具店から創業がはじまった、エルメスの歴史と伝統を感じるケリーギャロップです。
ケリーアルルカン(arlequin)
2013年秋冬コレクションで発表され瞬く間に完売してしまったケリーアルルカン。
アルルカンとはフランス語で、イタリア語ではアルレッキーノという有名なコメディーのキャラクターの名前です。
ピエロのアルレッキーノはカラフルな衣装をまとい、みんなに愛され笑わせてくれるキャラクター。
そこからインスピレーションを得て作られた、ケリーアルルカンはなんと6色使いのカラフルなデザインになっています。
異なる色を、絶妙なセンスと、職人の卓越した技で縫い合わせて仕上げているケリーアルルカンは逸品です。
ケリービブラート
様々な色に染色した山羊革を幾層にも重ねて張り合わせ、裁断した断面部分を利用しているのがヴィブラートです。
色合いの組み合わせは無限大にあり、一つ一つ違った表情、雰囲気があります。
カラフルで美しいヴィヴラートはエルメスの技術力の高さを感じる逸品です。
ケリー ギリーズ
ギリーズとはスコットランドの伝統的な舞踊靴ギリーシューズからインスピレーションを受けて制作されたシリーズです。
縁部分がギリーシューズにみられるパンチング加工で縁取りされています。
単色の物と、パーツごとに別カラーの組み合わせになっているものがあります。
ケリームートン・ケリープルシューム
ケリームートンは正式名をケリープルシュームといいます。
プルシュームとはフランス語でぬいぐるみ。
ムートン素材で作られた、温かみのあるケリーは、ぬいぐるみの様な可愛らしさがあります。
ケリーピクニック
ケリーピクニックは夏に持ちたい籠パックです。
ヤナギの枝を使って編まれたカゴバッグは茶色のレザーのフラップ部分がポイントです。
内側は全てレザーで覆われているしっかりとした作りになっています。
パーソナルケリー(オーダーメイドケリー)
自分好みの素材、色、また色の組み合わせを選んで、オーダーメイドのケリーバッグを作ることもできます。
一点一点手作業で作成しているエルメスですので、出来上がりまではオーダーしてから数年かかると言われています。
海外のエルメスブティックから輸入・販売しているエルメス専門店でパーソナルケリーを販売しています。
ショルダーケリー
定番フォルムは台形のケリーバッグですが、そのケリーを横に思い切って長くしたのがショルダーケリーです。ハンドルも長く肩にかけることもできます。
フォーマルの印象が強いケリーバッグが、横長になることでぐっとカジュアルになりました。
ハンドルも肩にかけれるので、デイリーユーズに最適のデザインになっています。
ケリーアド
ケリーバッグを縦長にしてリュックにしたのがケリーアドです。
カジュアルで両手が使えるケリーアド。
とても実用的なデザインです。
ケリー デペッシュ
ケリーバッグを書類のはいる大きさにしたケリー・デペッシュは人気のビジネスバッグです。ビジネスバックというと男性のイメージがありますが、ケリー・デペッシュはエレガントなビジネスバッグ。女性でも男性でも使用できるユニセックス使用です。
ビニールケリー
1997年1998年に開催されたエルメスの展覧会の時のみに発売された、ビニール製のケリーバッグ。
限定販売だったため、とてもレアな商品です。
ビニール製で中が見えるデザインで、夏のリゾートやビーチに最適のケリーバッグになっています。
ヒマラヤケリー
ヒマラヤケリーとは「ヒマラヤ」という素材で作られたケリーバッグの事です。
ヒマラヤ素材とはとても貴重な素材で、エルメスの顧客の中でもスペシャルなVIPのみしか見ることも出来ないという、幻に近い素材です。
ヒマラヤとは捕獲が困難なナイル川領域でとれたクロコダイルの中でも、ほんのわずかにしか取れないニロティカスマットを使用しています。
ベージュグレーの両サイドからホワイトに美しいグラデーションが特徴です。
クロコダイルの捕獲量は年々困難になっていて、希少価値も上がっているだけでなく、ヒマラヤは限られた職人しか扱うことが出来ないため、一年に1個から2個程度しか生産できないという超貴重品となっています。
ケリーポシェット
ケリーバッグを薄く細長くしたケリーポシェットはハンドル部分が収納できます。ハンドル部分を収納すると、クラッチバックとしても使用でき、パーティーシーンにも活用できます。
ケリードール
2000年のプレミアム記念として販売されたケリードールは、ケリーにと目と口と手と足がついた、可愛いアニメキャラクターの様なバッグです。
2000年以降は復刻版なども販売されていないため、レアアイテムとしてエルメスファンの間で注目が集まっています。
ほんわかしたあどけない表情がなんとも可愛らしい。
常に遊び心を忘れないウィットに飛んだバッグです。
ケリーバッグから展開されたアイテム
ケリーウォレット
https://bag-h.com/kelly-wallet/
ケリーバッグのデザインをそのままの長財布です。
バッグとお揃いで使用したくなるデザイン。
ケリーバッグ同様、エルメスのアイコン的商品で、いつの時代も大変人気があります。
ケリー ドゥブル トゥール T2 ブレスレット
ケリーバッグの象徴部分であるカデナ部分をフュチャーしてブレスレットにしました。
インパクトがあるデザインながらも品があるブレスレットです。
ケリーウォッチ
ケリーバッグのカデナをそのまま時計にしたケリーウォッチ。
手元で時計部分が揺れるのがなんともおしゃれでエレガンスです。
ケリーベルト
ケリーバッグのベルト部分が、そのまま婦人用ベルトになりました。
ケリーカット
ポシェットケリー同様横長でハンドル部分が収納できるケリーカット。
ハンドル部分を収納すればクラッチバッグとしても使用できます。
サイズはポシェットケリーよりも横長なので、よりカジュアルな雰囲気があります。
ケリーネックレス
ケリーバッグをネックレスにしました。
バッグをそのままミニチュアにしたもの、カデナ部分をモチーフにしたものがあります。
ケリーブーツ
カデナ部分がデザインポイントになったケリーブーツ。
乗馬を思い浮かべるデザインはエルメスらしいブーツといえます。
ショート丈やロング丈などバリエーションが豊富です。
ケリーにおすすめのコーディネート
長い間、多くの女性たちに愛され続けているケリーバッグ。
洗練されたデザインは、どんなスタイルにもコーディネート可能です。
フォーマルなワンピース、スーツスタイルはもちろんのこと、デニムなどのパンツスタイルにもマッチするのがケリーバッグの魅力です。
さらに和装スタイルにもケリーバッグはとても相性がよく、持っている女性をさらに引き立ててくれます。
フォーマルでも、カジュアルでも、さらには和装でも、ケリーバッグを持つとワンランク上のコーディネートに。
どんなスタイルにも女性らしいエレガントにしてくれます。
ケリーを詳しく解説「ケリーコンシェルジュ」
ケリーバッグについてもっと詳しく知りたい方は、
西麻布レクランの「ケリーコンシェルジュ」を覗いてみては?
ケリーの歴史、サイズバリエーション、構造をで写真入りで詳しく解説しています。